甲州羽毛ふとん® コラム

もっと知りたい!羽毛ふとんになる鳥の種類について

甲州羽毛ふとん

羽毛工場農場画像

羽毛ふとんにはダックとグースの2種類あることは、羽毛ふとんの購入を検討されている方は知っているかと思います。

ここでは、そのダックとグースについてもう少し詳しくご紹介していきます。

羽毛ふとんになる鳥は主に2種類

羽毛ふとんの中身には、ガンカモ科の家禽(かきん)である「ガチョウ(グース)」と「アヒル(ダック)」の羽毛が主に使われています。

羽毛ふとんでは、ガチョウのことをグース、アヒルのことをダックと表記されています。

では、羽毛ふとんの中身として使われているガチョウとグースについて詳しく見ていきましょう。

ガチョウ(グース)について

ガチョウの原種は、ヨーロッパ原産のハイイロガン、南米原産のサカツラガンです。

ハイイロガン系の品種は主に欧米で、サカツラガン系の品種は主にアジア・アフリカで飼育されています。

ヨーロッパ系

ヨーロッパ原産のガチョウは、ハイイロガンを家禽化したものです。
およそ3,0003,500年前に東ヨーロッパで家禽化されました。 

<ヨーロッパ系のガチョウの特徴>
・羽枝が多く小羽枝が細く(約2ミクロン)たくさんあるので密度が濃い
・やわらかく、圧縮性が高い、ドレープ性が高い

アジア系

アジア系のガチョウは、サカツラガンを家禽化したものです。およそ3,000年前に中国で家禽化されました。

<アジア系ガチョウの特徴>
・ヨーロッパ系と比べると羽枝が少なく小羽枝が太く(約3ミクロン)短いため密度が薄い
・やわらかく、圧縮性が高い、ドレープ性が高い(ヨーロッパ系よりは若干劣ります)

アヒル(ダック)について

鴨・アヒルの原種はマガモで、ヨーロッパ、中国で古くから品種改良されてきました。

現在ではたくさんの品種があり世界中で飼育されています。羽毛ふとんに使われる代表的な品種は、次の通りです。

チェリーバレー種

チェリーバレー種は、マガモを家禽化したペキン種をイギリスで品種改良したものです。

<チェリーバレー種の特徴>
・羽枝が少なく小羽枝が短いため、密度が薄い
・ダウンボールも比較的小さい

マスコピー種

マスコピー種のダックは、南アメリカが原産です。600700年前に家禽化されています。

<マスコピー種の特徴>
・羽枝が多く小羽枝が長いので密度が濃い
・ダウンボールが大きく未熟羽毛が少ない
・ストレスを起こしやすいため少数での飼育が必要

ムラード種

ムラード種は、マスコピーとペキン種をかけ合わせたハイブリッド種です。

<ムラード種の特徴>
・羽枝が多く小羽枝が長いので密度が濃い
・ダウンボールが大きく未熟羽毛が少ない
・ストレスに強く集団飼育が可能
・飼育日数が長くマスコピー種より体長が大きい

ニワトリは、羽毛ふとんに適さない?

ニワトリの羽毛は、ふとんに使われていないのか、気になる方もいると思います。一般的に、ニワトリの羽毛はふとんには適しておらず、使われていません。

その理由は、羽毛の特性の違いです。まず、羽毛ふとんで使われるグレースやダックは「水鳥」ですが、ニワトリは「陸鳥」です。

水鳥には、寒冷地を生き抜くため、ダウンというわた毛を持っていますがニワトリのような陸鳥にはありません。

また、陸鳥はフェザー(羽根)が平面的なため保温性や弾力性に欠けていて、吸湿や発散性に劣りがあります。

水鳥のフェザーは、立体的な構造でかさ高性や保温性に優れているため、あたたかくふんわりとした羽毛ふとんに向いているのです。

グースとダックの品質比較について

一般的に羽毛ふとんの詰め物としては、グースの方がダックよりも優れているといわれています。その理由は下記の点からです。

  • 体長がグースの方がダックよりも大きいため、ダウンボールが大きく、かさ高に富んでいる
  • グースの方がダウンの羽枝、小羽枝が細くてやわらかくドレープ性に富んでいる
  • 小羽枝の三角形の節が、ダックは先端に片寄って集中。一方でグースは間隔が長く、平均的に根元の方まであるため、ダウンが反発しあい優れたかさ高を生み出す
  • フェザーがグースの方が湾曲に曲がっているため

ひとくちにダック、グースといってもいろいろな種類があることがわかります。

また、羽毛は基本的に食肉の副産物になるので、実は未成熟な羽毛が市場に出荷されるケースも多いのです。未成熟な羽毛は弾力性も不充分でかさ高も少なく保温力も少ないものになります。

羽毛の品質には、ダック・グース問わずにやはり飼育期間が大きく影響します。

グースダウンでも飼育期間の不足したものは充分成育したダックダウンよりかさ高が出ないため、必ずしもグースがダックより優れているとは限りません。

シルバーグース・ダックとホワイトグース・ダック

羽毛ふとんの種類は、「シルバーグース(またはダック)ダウン」と「ホワイト(またはダック)ダウン」と表記されていることもあります。これらは、羽の色が異なるだけです。

水鳥は、白色の羽を持つ鳥と茶系の羽を持つ鳥がいます。白色の羽を持っているグース・ダックは、羽毛の色も白くホワイトダウンと呼ばれています。茶系の羽を持っているグース・ダックはシルバーダウンと呼ばれています。

これは、羽の色が異なるだけであって品質には差がありません。しかし、白色の方がより清潔に見えることや、がわ生地に透けて見えないことからホワイトダウンが人気を集めいています。

マザーグース・ダックとは

マザーグースダウンやマザーダックダウンとは、名前の通り「親鳥」から採取される羽毛です。一般的に食肉の副産物として採取されますが、マザーダウンは産卵のために飼育されている鳥から採取されます。

一般的なダウンは、若いうちに採取することもあり、羽毛が未熟であることも。マザーグース・ダックは飼育期間が長く成熟しているため、ダウンボールが大きく、かさ高性や弾力性、保温性に優れているのが特徴です。そのため、マザーグースやマザーダックのダウンは、上質な羽毛とされ高級羽毛ふとんに使われているのです。

最高峰とも呼ばれるのが「アイダーダック」

グースの方が、体長が大きくダウンボールも大きいため、優れているといわれていますが、グースや一般的なダックよりも特別なダックがあります。それは、アイダーダックです。

アイダーダックのダウンを利用した羽毛ふとんは最高峰ともいわれ、高級な羽毛ふとんです。

このアイダーダックは、アイルランドでは特別保護鳥にされています。そのため、決められた農家以外では、アイダーダックの羽毛を採取することはできません。

アイダーダックは、産卵期に抜け落ちた羽毛を巣にはりつけて、冷たい空気が侵入するのを防ぐ特徴があります。ヒナが孵ったあとに、この巣にはりついた羽毛を人の手で採取したものがアイダーダウンです。

羽毛同士が絡み合っているため、保温性に優れています。品質の高い羽毛ですが、採取できる量に限りがあり量産はこんなんです。そのため、羽毛の宝石とも呼ばれていて、羽毛の中でも特に別格の高級羽毛ふとんとされています。

まとめとよくある質問

この記事では、羽毛ふとんになる鳥の種類についてご紹介しました。

羽毛製品は外側からは、なかなか良し悪しがわかりにくいのですが、その素材のすばらしさは世界中の寝具やダウンジャケットなどで知らない人はいません。

上質な羽毛は、丁寧に扱えば30年、いや50年は使える天然繊維です。

そのすばらしい自然からの贈り物をどうぞ羽毛ふとんでお楽しみください。

最後に羽毛ふとんについてよくある質問をまとめました。

A:羽毛ふとんの中身には、ガンカモ科の家禽(かきん)である「ガチョウ(グース)」と「アヒル(ダック)」の羽毛が主に使われています。

A:陸鳥である鶏はフェザー(羽根)が平面的なため保温性や弾力性に欠けていて、吸湿や発散性に劣りがあります。

A:羽毛ふとんの種類は、「シルバーグース(またはダック)ダウン」と「ホワイト(またはダック)ダウン」と表記されていることもあります。これらは、羽の色が異なるだけです。

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滝口彰彦

1967年山梨県生まれ。 中学生の時に父親に連れられ、ドイツの展示会で初めて羽毛布団に出会う。 羽毛布団の素晴らしさに魅せられ、寝具小売業へ就職ののち、製造に携わりたい思いで工場へ転職し、日本中の問屋へ羽毛布団の卸売りを手掛ける。 その後、タキ・リビングを立ち上げ、「甲州羽毛ふとん」ブランドを展開。現在に至る。

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