掛けふとんを購入する際は、軽量で温かい羽毛ふとんがほしいな、と思うのではないでしょうか。羽毛ふとんの温かさは魅力がありますから、購入を考えている方も多いはずです。
しかし、ひとくちに「羽毛ふとん」といっても、その種類は数多くあり、価格も2万円程度から100万円以上まであります。取扱店も百貨店・量販店・専門店だけでなく、家具店、ネット店、TV通販など多岐にわたります。
それだけ多くのお店で取り扱っている羽毛ふとんなので、実は「いざ買おう」と考えたときに、どんな羽毛ふとんを選べばいいかわからずに悩んでいる方も多いかと思います。
そこで今回は、羽毛ふとんの選び方についてご紹介します。
羽毛ふとんの中身の品質も非常に重要なのですが、ご自身のライフスタイルに合わせたサイズや、寝室環境に合った厚み(ボリューム)も選ぶ際の大切なポイントです。
サイズが合わない場合は、寝返りの際に身体がふとんからはみ出してしまい、せっかく温めた身体が冷えてしまいます。
また、厚み(ボリューム)が合ない場合は、薄くて十分な保温性を確保できなかったり、暑くて蒸れてしまい寝汗をかきすぎたりします。
いずれの場合も、熟睡できずに寝具本来の役割である、「身体を休める道具」としての機能を果たせません。
羽毛ふとんを選ぶ際、まずは、ご自身のライフスタイルに合わせたサイズと、寝室環境に合わせた厚みを考えてから商品選びに入ってください。
羽毛ふとんのサイズは一般的に次の通りです。
シングル ・・・ 一人用 セミダブル ・・・ ゆったり一人用 ダブル ・・・ 二人用 クイーン ・・・ ゆったり二人用 キング ・・・ 二人でゆったり、または家族三人用 |
体格や好み、部屋の大きさなどに合わせて決めることをおすすめします。
羽毛ふとんの厚みには主に下記の4タイプがあります。
・本掛け羽毛ふとん ・・・ 主に適した季節「秋冬」 ・合い掛け羽毛ふとん ・・・ 主に適した季節「春秋冬」 ・肌掛け羽毛ふとん ・・・ 主に適した季節「春夏秋冬」 |
ほかに、合い掛けと肌掛けふとんを組み合わせた2枚合わせ羽毛ふとんがあります。2枚合わせ羽毛ふとんは、季節を問わず使用できます。
本掛けふとんは、ボリューム感があり厚みがあります。
寒がりの方・寒冷地にお住まいの方・厚めの掛けふとんがお好みの方におすすめです。
秋冬用としていますが、気温が下がる初秋から春先まで活躍してくれます。
とにかく寒がりで、真冬に安心してご利用できるタイプをお探しの方におすすめです。
本掛けと肌掛けの中間に位置するのが、合い掛け羽毛ふとんでし。
軽いふとんをお好みの方におすすめです。
気密性の良い住宅(集合マンションなど)は、冬でも十分の厚みです。
(真冬に薄く感じるかたは薄手のケットなどを重ねてお使いください)
秋からから冬にかけて、また冬から春にかけてご使用いただける、使い勝手の良いふとんです。一枚あると季節の変わり目などにとっても便利です。
肌掛けふとんは、ちょうど良い厚みで一年を通して使えます。
保温性と通気性を兼ね備えた肌掛けふとんは四季のある日本にはまさにピッタリの掛け寝具といえるでしょう。肌掛けふとんは、ダウンケットとも呼ばれています。
季節やお好みに応じてほかの掛け寝具と重ねてのご使用がおすすめです。
二枚合わせふとんは、合い掛けふとんと肌掛けふとんの2枚組みになります。
季節に合わせて組み合わせ自在。
春・秋は 合い掛けふとん1枚で、夏は肌掛けふとん1枚で、冬は2枚合わせてお使いください。オールシーズンふとんとも呼ばれます。
ご自身の寝室環境に合わせた厚みを選んで快適にお休みください。
サイズや厚みが決まれば、次にはいよいよ羽毛ふとん品質についてです。
羽毛ふとんの品質は主に次の3要素で決まります。
・羽毛の品質 ・がわ生地の品質 ・仕立て方法 |
他にもデザインなどの要素もあるのですが、ふとんの機能性には関連しないので、お好みのデザインを選んでいただければと思います。または、カバーリングなどでデザインをお楽しみください。
羽毛の品質は次の五つの要素で決まります。
①ダウンの混率
ダウンの混率によって温かさが変わります。一般的にはダウンの混率が大きいほどふわふわして温かくなります。
例えばダウン85%の羽毛ふとんとダウン93%の羽毛ふとんを比べると、ダウン93%のほうがより温かい羽毛ふとんだといえます。
②鳥の種類
羽毛ふとんに使われる鳥の種類はダックとグースの二種類です。
ダックはアヒル、グースはガチョウになります。
ダックよりグースは身体が大きいため、羽毛(ダウンボール)の一粒一粒が大きく、空気をよく含み保温性・弾力性に優れます。
③産地
一般的に寒い地域で飼育された鳥が高品質と言われています。
これは寒さに対応するために保温性の高い羽毛で身を守っているからです。
しかしながら、実は産地による品質の大きな違いはなく、飼育期間や環境により品質が変わります。
特にダウンベルトと言われる北緯50度あたりの地域が、高品質な羽毛が取れると言われています。
④ダウンパワー
羽毛の質を、現在ではダウンパワーという数値を用いて表しています。
ダウンパワーとは、1グラムあたり羽毛がどれだけ膨らんでいるか、どれほどの弾力性を持っているかを数値化したものです。(DPとはダウンパワーの略になります。)
この数値が高いほど優れた保温性を持つ羽毛とされています。
⑤洗浄
実は意外と知られていないのが羽毛の洗浄についてです。
羽毛は動物性繊維のため、若干の匂いがあります。
グースは草食で匂いが少なく、ダックは雑食のため独特の匂いがあります。
キレイに洗い上げられた羽毛はいやな匂いが少なく快適にお休みになれます。
羽毛ふとんの中身は見えません。仮に見えたとしても質がわかりにくいものです。
この5つの要素に注意して羽毛の品質をお選びください。
がわ生地の素材ごとに、肌触り、柔らかさ、軽さ、吸湿性、フィット性が異なります。
同じ素材でも、織り方、糸のランク、糸の太さなどの違いにより羽毛ふとん寝心地が異なってきます。
羽毛ふとんのがわ生地にはいろいろな素材があります。
綿やシルク、また、ポリエステル交織生地など、羽毛ふとん専用生地なども開発されていますが、人気なのはやはり綿100%です。
ここでは綿100%のがわ生地について説明します。
綿素材の質は「番手」で表します。
生地の「番手」とは、糸の太さを表す単位で一定の重さ当たりの長さを示しています。
そのため、番手が上がれば上がるほど、光沢感が増し、美しくしなやかな生地になります。
糸が細いほど繊細な糸になり、そんな細い糸で織られた生地はさわり心地も良いため品質が高い生地となるのです。
言い換えれば、同じ綿100%であっても、使われている糸の番手が違うと、生地の風合いや肌触りは全く違うものになります。
繊維は細いものほど優良であるとされていますから、縫い糸も細い繊維を用いるほどによい品質が得られことになり、高級品となります。
しかし、綿を細く糸に加工する(紡績)するには、綿花の中でも繊維が長い超長綿を使用しなくては生地が作れないために、番手が細くなればなるほど高級なものになる、ということです。
具体的には60番手より100番手の方が、風合いが良く高品質かつ高級な生地ということになります。
※詳しい説明はこちらでも解説しています。参照ください。
羽毛ふとんの仕立て方法には色々なパターンがあります。保温性を重視したタイプとか羽毛の片寄りを防止したタイプなど。
羽毛ふとんの仕立て方法は、軽さ、保温力、温度調整に深く関わります。
ここでは一般的に多くある「立体キルト」と「2層キルト」について説明します。
「立体キルト」
立体キルトは詳しくは「1層式立体キルト」と言います。
本掛け・合い掛け・肌掛けを問わず多くの商品に採用されている仕立て方法です。
羽毛ふとんの初期の仕立て方法は、表生地と裏生地を直接縫い合わせた「平キルト」しかありませんでした。しかしそれでは、キルト部分に羽毛がなく、生地だけになってしまい、熱が逃げてしまい保温性が確保できませんでした。そこで、当時のふとん職人が考え出したのが、キルト部分にマチを作り高さを持たせた立体キルトです。
いまではスタンダートな仕立て方法ですが、当時は熱が逃げない画期的な仕立て方法として一世を風靡しました。
保温性と軽さを求めるには最適な仕立て方法です。
「2層キルト」
詳しくは「2層式立体キルト」と言います。主に本掛けふとんに採用されています。
表側生地と裏側生地の間に、もう一枚生地を入れて、表側と裏側のキルティングの位置をずらしている仕立て方法です。
2層構造(2階建て構造)でマス目(羽毛を分けている部屋のこと)の数も多いため、身体へのフィット性が高くなり羽毛の片寄りが出にくくなります。
複雑な縫製工程のため、中級クラス以上の商品に多く採用されている仕立て方法です。
保温力が増すため、寒冷地にお住まいの方や一戸建ての方、寒がりの方に特におすすめします。ただし、中央部分に仕切り布があるため、立体キルトよりは若干重くなります。
(シングルサイズで約200~300g程度)
上記の通り、羽毛ふとんの品質については
1.羽毛の品質
2.がわ生地の品質
3.仕立て方法
この三要素(羽毛の品質・がわ生地の品質・仕立て方法)に注意していただき、最後はご予算に応じた商品を選んでいただければ良いと思います。
とはいえ、高品質な羽毛(ダウン)は、定期的にメンテナンスやリフォームをすることにより、何十年も使うことができます。
最後に、日本製羽毛ふとんと明記した羽毛ふとんは多くありますが、表示上は最終製造工程が日本国内であれば日本製になります。
日本製と表示している商品の多くは、実は海外のがわ生地を海外で縫製し、最後に日本で製品に仕上げたものです。
現在、日本国内のふとん産業は、関連工場が減りふとん職人も少なくなり非常に厳しい環境になっています。特にがわ生地織布から製品仕上げまで国内工場で生産している上質な羽毛ふとんは数が少なくなっています。
甲州羽毛ふとん®は、長年の歴史と文化を継承し培われた技術と信頼に基づいて、安心・安全なものづくりをしています。
豊富な天然水で磨かれた羽毛を熟練の職人が一枚一枚丁寧に仕上げた商品です。
世界遺産「富士山」の大自然の恩恵を受け、天然水で磨かれた羽毛ふとんをぜひお楽みください。
甲州羽毛ふとん®のオンラインストアはこちら↓
https://shop.koushuumoufuton.com/
最後に羽毛ふとんについてよくある質問をまとめました。
A:羽毛ふとんは、ダウンボールを50%以上含んでいるものをいいます。
羽根ふとんは、フェザーが50%以上含まれているものです。
A:汚れやキズから守るためにカバーをつけるようにしましょう。
また、月に1度は干すようにすることをおすすめします。
A:洗濯表示タグに洗濯できるマークがあればOKです。
ニオイやカビのもとになるため、しっかり乾かすのがコツです。
羽毛はデリケートなので、不安がある場合は専門の業者に丸洗いを依頼することをおすすめしています。
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