富士山の北麓地域は古くから織物業が盛んな地域で、その歴史はおよそ1000年前にまで遡ります。特に甲州絹織物のふとん地は国内有数の産地として名を馳せていました。俗にいう婚礼布団の生地ですね。
婚礼布団とは・・
昔はお嫁入りの道具として、きらびやかな織物生地の緞子(どんす)や綸子(りんず)などを使用した綿わた布団を用意しました。
日本の羽毛ふとんは基本的にヨーロッパからの舶来品で、日本での歴史は、ヨーロッパに比べると非常に浅いものです。明治・大正時代に、ごく一部の富裕層や海外からの帰国者が使いはじめましたが、昭和に入り国内生産がはじまるまでは、輸入でしか手に入れる方法はありませんでした。
当時輸入品には高い物品税が課せられていたため、なかなか一般庶民が買うことのできる商品ではありません。そんな羽毛ふとんを庶民が手を出せるようになったのは昭和40年代前半になってからです。高度経済成長の影響で一般家庭の生活がどんどん豊かになり、羽毛ふとんを利用する人が増えてきましたが、それでもまだ贅沢品だと考えられ、婚礼用の羽毛布団が主で実用品として普及されたわけではありませんでした。
その後、贅沢品だった羽毛ふとんが一般庶民でも手の届く実用品となったのは、「物品税廃止」と「急激な円高」が大きな要因です。こうして羽毛ふとんの需要が拡大していきました。、その後羽毛の貿易が進んだこともあり、国内での生産が拡大。実用品として一般家庭にも普及されるようになったのです。甲州織物産地もこのように羽毛ふとんが普及し始めるにつれて、羽毛ふとんの生産地域へ発展していき、最盛期には羽毛ふとん生産量が日本一までになりました。今では当たり前になっている「立体キルト」や「二層キルト」も、当時のふとん職人の手により試行錯誤の上、開発されたものです。
甲州羽毛ふとんは、長年の歴史と文化を継承し培われた技術と信頼に基いて、 安心・安全なものづくりをしています。 世界遺産「富士山」の大自然の恩恵を受け、天然水で磨かれた羽毛ふとんをぜひお楽しみください。
甲州羽毛ふとん®は、ふるさと納税の返礼品としても採用されています。