寒い季節には、必須の羽毛ふとん。実は、羽毛ふとんはダウンボールによって良し悪しが左右されるといっても過言ではありません。
そこで今回は、ダウンボールの特性について解説していきます。羽毛ふとんの購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
鳥の羽毛は、進化の過程で皮膚が変化したもので、哺乳動物の体毛にあたります。
中でも水鳥の羽毛には、ダウン(ダウンボール)とフェザーの2種類の羽があります。
ダウンとフェザーについて詳しく見ていきましょう。
ダウンは、羽軸(うじく)を持たない羽毛のことで、綿羽とも呼ばれます。
小さな元羽軸とその先端から派生した二本以上の羽枝からなる水鳥羽毛で、幹羽軸がないものおよび、幹羽軸が明確でないもの、いわば鳥の肌着にあたるものです。
鳥全体に生えているものの、特に胸からお腹にかけて生えており保温力のある毛になります。
表面より裏面に向かって少し湾曲した羽軸を持ち、その両面に柔らかい羽枝(うし)があり、さらにその左右に小羽枝(しょううし)がついています。いわば鳥の上着にあたるものです。
胸からお腹の部分以外に多く生えており、翼部の先端は特に大きな羽根が生えています。フェザーは、吸放湿性の良い羽毛で、長さ6.5㎝以上のものをラージフェザー、6.5㎝未満のものをスモールフェザーと呼びます。
*出典:日本羽毛製品協同組合「改訂版・羽毛寝具要覧」より
ニワトリのような陸鳥には、フェザーのみで、ダウンはありません。陸鳥のフェザーは、保温性や弾力性などには欠けていて、羽毛ふとんとしての利用は難しいのです。そのため、羽毛ふとんは、水鳥の羽毛が100%使用されています。
ダウンには、次のような優れた特性があります。
ダウンには、互いに絡み合わない性質があります。そのため、ダウンは多量のデットエアー(動かない空気)を含み、ふんわりとかさ高くなっています。
空気は、熱伝導率が非常に低く、断熱保温材の役目を果たし、大きな保温性を示します。
羽毛は、化学的にはウールと同じように、ケラチンという動物性たんぱく質で構成されています。このため、ウールと同様、吸湿性や発散性にも優れ、衣服内の湿度をコントロールする機能を有しています。木綿などと異なり、吸湿しても人間の体に、湿感や冷感を伝えないのが、大きな特徴です。
羽毛ふとんを購入する際に、ダウンパワーやダウン率という言葉を目にしたことがあるかもしれません。ここでは、ダウンパワーとダウン率について解説します。
羽毛のふくらみを評価する数字をダウンパワーといいます。「dp(㎝3/g)」という表記で示されていて、どれだけかさ高があるのか目安になります。ダウンパワーは、「350dp」で普及品、「400dp」で高級品、「440dp以上」もあると最高級品です。
ダウン率は、羽毛ふとんの中に入っているダウンの割合を示したものです。羽毛ふとんの品質表示タグに、「ダウン○%」と書かれています。羽毛ふとんは、ダウン50%以上でなければなりません。また、割合には多少の誤差があり、100%のものであれば1%、100%は5%まで誤差が認められています。
ダウンがなぜ暖かいのか、気になりますよね。
実は、ダウンには、進化の奇跡ともいえる温度、湿度調節の仕組みがあるのです。
ダウンはタンポポ状の立体形状をしているため、中心から放射状に幾重もの羽枝が伸び、さらにその羽枝には無数の小羽枝が生えています。
小羽枝の太さは、人間の髪の太さの約1/20の細さです。
この小羽枝で空気の層を取り込み、これが断熱作業をもたらし保温効果が生まれます。
さらにダウンは調湿機能も備えています。温度が上がって湿度が高まると、その周りの小羽枝が閉じることで空気の層が減り、通気性が増して湿度を逃していきます。
一方、ダウン自体は水分吸着熱を発生しますので、その熱を受けた周りの空気が移動して湿度を下げていくことで次第に、小羽枝が開き、空気の層を順次回復させます。
こうした変化を自動で繰り返すために、温度や湿度を一定に保ちます。
一般的な繊維にはないダウンならではの特別な性能です。
つまり、羽毛ふとんは、身体から汗とともにでる水分も吸収・発散を繰り返し、常に快適な状態を保っているのです。
羽毛ふとんを購入する際、「グースダウンとダックダウンはどちらが良いか」悩む方も多いのではないでしょうか。
グースダウンとダックダウン、どちらがいいのか。その答えは「グースダウン」です。
寝具用の原料としての羽毛の品質は、総体的にはグースの方がダックよりも優れているといえる理由は下記の通りです。
1.生体としての鳥の体形がグースの方がダックよりも大きいため、比例してダウンボールが大きく、かさ高に富んでいる
2.グースの方がダウンの羽枝、小羽枝が多くて細く柔らかい。ドレープ性に富んでいる。グースの小羽枝は2ミクロン、ダックは4ミクロン
3.ダウンの小羽枝の三角形の節が、ダックは先端に片寄って集中。グースは間隔が長く、平均的に根元の方まであるため、この節により羽毛どうしの相互排除性が働き、グースの方が優れたかさ高性を生み出すことになる。
なお、陸鳥にも小さな節はあるが、三角形の節は見当たらない。
4.フェザーはグースの方が湾曲に富んでいる
5.グースダウンは細くしなやかで、圧倒的な圧縮性を誇る。また、繊維が補足多いため、小さな空気層をたくさんつくるので、保温性が高い。(ドレープ性が高い)
ダックダウンは、反発性が高く、圧縮状態からすぐ回復する。(圧縮回復性が高い)
*出典:日本羽毛製品協同組合「改訂版・羽毛寝具要覧」より
ただし、ダウンの良し悪しは下記の4要素が鍵となり、鳥種だけでは決まりませんので注意が必要です。
1.鳥種(グースorダック)
2.ダウン率
3.ダウンパワーと充填量
4.清浄度(洗い上げた羽毛のキレイさを示す値)
世界各地の広大な農場で放し飼いされた水鳥は、自然の恵みを受けて健やかに育ちます。
羽毛は天然繊維。毎年の天候や市場環境により収穫量・品質が大きく異なります。
自然からの贈り物、いわば「農産品」です。
甲州羽毛ふとん®は、世界の名産地から選び抜いた最高の羽毛をお届けしています。
豊富な天然水で磨かれた羽毛を熟練の職人が一枚一枚丁寧に仕上げた商品です。
甲州羽毛ふとん®は、長年の歴史と文化を継承し培われた技術と信頼に基づいて、安心・安全なものづくりをしています。
世界遺産「富士山」の大自然の恩恵を受け、天然水で磨かれた羽毛ふとんをぜひお楽しみください。
↓ ↓ ↓ ↓
https://shop.koushuumoufuton.com/
今回は、羽毛ふとんの良し悪しを左右するともいえる「ダウンボール」についてご紹介しました。
ダウンボールは、羽軸を持たない羽毛のことで、綿毛のような羽です。これは、水鳥に生えている羽毛で、保温性や吸湿性に優れています。
最後に羽毛ふとんについてよくある質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
A:カバーをつけることをおすすめしています。カバーをつけることで汚れや側生地のダメージを防止することができ、劣化を遅らせられます。カバーは週に一度は洗濯することで清潔感を保てます。
A:月に1~2回、カバーをつけたまま天日干しをしましょう。
洗濯表示タグが付いている場合は、ご家庭で洗うことも可能ですが、ボリュームダウンやニオイの原因になることもあります。汚れてしまった場合は、専門のクリーニングや打ち直しをおすすめしています。
A:羽毛ふとんはたたいてしまうと、側生地や羽毛が傷んでしまう恐れがあります。側生地にダメージがでてくると、中の羽毛がでてきてしまうため、たたくことは避けてください。
お客様問合せ専用ダイヤル