甲州羽毛ふとん® コラム

羽毛ふとんに寿命はある?買い替えのサインや長持ちさせる秘訣は?①

羽毛ふとんに寿命はあるのでしょうか?

羽毛ふとんは心地よい眠りに欠かせない寝具ですが、比較的高価なためできるだけ丁寧に扱って長く使用したいと思います。では羽毛布団を買い替えなければならないときは、どんなポイントがあるのでしょうか。ここでは羽毛ふとんの寿命や、長持ちさせる秘訣についてご紹介します。

■羽毛ふとんの寿命は10~15年

羽毛ふとんは品質にもよりますが丁寧に扱えば10~15年以上使えます。しかし長く使用するにつれて、がわ生地の汚れや傷み、羽毛の吹き出し、羽毛のかさの減少などが起こってきます。そんな場合には羽毛リフォームがおすすめです。
羽毛リフォームは中身を取り出し洗浄し、新たらしいがわ生地に交換しますので新品同様に蘇ります。

■価格・ブランドによる寿命の違い

羽毛ふとんの価格は、使用される羽毛の産地や種類など品質によって高価格のものから低価格のものまで幅広くございます。高価格帯の羽毛ふとんの方が寿命は長くなる傾向にあります。その中でも10年以上使用できるものは、購入時の価格が少し高く感じても、高品質で長期間使用できるので結果的にはコストパフォーマンスが良いと言えます。
羽毛ふとんを購入する場合は、価格だけでなく寿命のことも考えて購入するブランドを選ぶことがポイントです。

■使っている人・環境による寿命の違い

高品質の羽毛ふとんであっても、環境や使う頻度によって寿命は異なってきます。例えば、汗の量です。一般的に睡眠中にコップ一杯ほどの汗をかくと言われていますが、その量は人によって違うため汗をかきやすい方の方が羽毛ふとんの劣化は早くなるでしょう。他にもペットを飼っている、小さいお子さんがいる場合は尿などによる汚れでにおいがこもり、雑菌が繁殖して羽毛ふとんの寿命が短くなることもあります。
湿気の多い場所での保管や、雨に濡れることも劣化が早まる原因となりますので、羽毛ふとん寿命を長持ちさせるためには、湿気の多い地域では、日常的に乾燥させるなどのメンテナンスが欠かせません。

■ダウンの種類による寿命の違い

ダウンの種類によっても耐久性が違うため、寿命も変わってきます。購入する羽毛ふとんがどのような羽毛を使用しているかを知っておきましょう。一般的に羽毛の耐久性の高さは、アイダーダックダウン、マザーグースダウン、グースダウン、ダックダウンの順となっています。アイダーダックダウンは、羽毛の宝石とも呼ばれて、しっかりとした弾力と保温性があり、丁寧に扱えばかなり100年以上も使用が可能と言われています。ただし、良質なダウンを使用した耐久性の高い羽毛ふとんは、高品質なため値段もかなり高価格になります。一方でリーズナブルな羽毛ふとんの中には、かさ高のへたりが早い、比較的飼育期間が短い未熟なダウンが使用されている場合が多いため、結果として布団の寿命は短くなります。

■外側の生地(がわ生地)による寿命の違い

羽毛だけでなく、外側の生地(がわ生地)も羽毛ふとんの寿命に大きく関係しています。高価格のがわ生地であれば、寿命が長いというわけではありません。シルクを使用した生地は触ったときの感触も良いので寝心地も良いですが、天日干しに弱いので湿気がたまりやすく、耐久性という面では他の素材よりも劣化しやすくなります。
また、綿100%素材には超長綿(ちょうちょうめん)と言うがわ生地があります。
超長綿は繊維の長さが35mm以上の非常に長い綿のことです。 なめらかな肌触りと繊維の光沢が特長的で、世界中の綿花のうちたった5%しか生産できない希少価値の高いものです。
他にも綿とポリエステルの交織生地や、レーヨンや麻使いのがわ生地などがあります。
羽毛ふとんの寿命にこだわるのであれば、がわ生地にもこだわって選ぶのはいかがでしょうか。

■メンテナンスの有無による寿命の違い

日頃からメンテナンスをしっかりと行っているかどうかで羽毛ふとんの寿命は大きく変わります。
メンテナンスは、湿気をためずに羽毛ふとんを乾燥した状態で保つように月に1~2回、1~2時間程度天日干しを行いましょう。天日干しする際は、羽毛ふとんのがわ生地の痛みや汚れを防ぐため、カバーをかけて干すと良いでしょう。天日干しをせずに湿気のこもった状態で使用し続けると羽毛のかさ高や弾力が低下します。天日干しの他に、少しがわ生地が傷んだ程度であれば、リフォームをすることでさらに寿命を延ばすことができます。中の羽毛を取り出して洗浄し、新しいがわ生地へ入れ替えることをリフォーム(リフレッシュ加工ともいいます)といいます。再洗浄によって、保温性を復活させることができるため、経済的でかつ環境にも優しいというメリットがあります。

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滝口彰彦

1967年山梨県生まれ。 中学生の時に父親に連れられ、ドイツの展示会で初めて羽毛布団に出会う。 羽毛布団の素晴らしさに魅せられ、寝具小売業へ就職ののち、製造に携わりたい思いで工場へ転職し、日本中の問屋へ羽毛布団の卸売りを手掛ける。 その後、タキ・リビングを立ち上げ、「甲州羽毛ふとん」ブランドを展開。現在に至る。

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